8月24日~28日 全国青年部・青年局幹部海外研修
今回、全国青年局としては初めての試みである、青年局役員の国会議員と地方の青年幹部党員も加えた総勢約100名にも及ぶ大規模な訪問団で、中華民国へ行ってまいりました。
2004年9月14日発行「自由民主」より抜粋
青年党員が結束固める
青年部・青年局 100人が台湾で海外研修
金子恭之党青年局長を団長とする党青年部.青年局幹部海外研修団が8月25日から4日間の日程で台湾を訪問し、陳水扁総統をはじめ政府・政党要人と会談した。研修団には全国から約100人の青年党員が参加した。
陳水扁総統と会談
陳総統との会談では、「自民党青年局が長期にわたり台湾との交流を重視していることに、2300万人民を代表し真摯な歓迎と感謝の意を表する。アテネ五輪で台湾は史上初の金メダルを獲得したが、皆さんの訪台が金メダルをもたらしてくれたものと感じている」と大勢の研修団を歓迎。
これに対して金子団長は「現在、日台には100万人の人的往来があるほか、台湾は日本にとって4番目の貿易相手となった。わが党青年局は、党の台湾に対する窓口機関として日台関係発展に尽力してきたが、今後も緊密な関係を維持していきたい」と応じた。
野党・国民党の連戦主席との会談では、連主席が「国民党と自民党の関係は非常に密接であり、熱烈に歓迎したい。台湾の過去50年の奇跡的な経済成長は、日本からの資本、技術の援助があってこそ到達できたものであり、今後さらなる台日関係の拡大のため、青年や留学生の交流を発展させる必要がある」と、関係発展に期待感を寄せた。
李登輝前総統と意見交換
また、研修団は李登輝前総統の「民主化、法治主義を徹底することと、教育を強化し台湾のアイデンティティーを築くことが大切だ」との講演を聞き、大勢の研修団との意見交換も行われた。
その他に、蒋介石初代総統をまつる中正記念堂、故宮博物院、救国団本部、工業団地などを訪問したほか、李前総統、陳唐山外交部長、江丙坤立法院副院長、黄茂雄中華民国工商協進会理事長など、台湾の政財界首脳と意見交換した。
研修団に対する台湾の感心は高く、日本の政権与党が、100人近い大訪問団を結成したことに加え、事前に日本国内の各紙が報道したこともあり、28日付現地新聞「自由時報」が一面に写真入りで研修の模様を伝えた。
金子団長「大きな成果」
今回の研修の成果について、金子団長は「青年局の国際交流の歴史は、従来、国会議員による訪問が主体であった。しかし、今回は新たな試みとして、地方議員や会社役員など、日ごろ第一線で苦労されている地方青年幹部の皆さんと共に100人近くの大訪問団を結成した。党の次代を担う地方青年幹部の皆さんが相互の懇親を深め、結束をより強固なものとしたことは、大きな成果だ」とした。
一方で、金子団長は「新聞報道によると、我々の訪問を好ましくないとする国があったようだが、誤解に基づくものであり、極めて遺憾。わが党青年局と台湾の交流の歴史は40年以上にわたっており、今後もこの方針に変わりはない」と、日台交流をわが党青年局が変わらず続けていく決意を述べた。
参加者の声
●「李登輝前総統にお会いできたことが、最も印象に残った。総統に就任し、民主化に大きく舵を切るまでの苦難や苦闘について、私からの質問にお答えいただき感動した」(星野剛士・神奈川県連青年局長)
●陳総統は『台湾が既に実施している日本への旅行者のビザ免除を、日本でも実施していただきたい』とおっしゃっていたが、北海道は台湾がら多くの旅行者を受け入れているので、真剣に検討すべきと感じた」(高橋克朋・北海道連青年局次長)
●「国会議員、地方議員、会社員、学制など分け隔てなく、日本全国の若い党員と交流できたことは大変有意義だった」(芝原直子さん・会社員)
李登輝前総統挨拶
陳外交部長、金子団長、許資政、林資政、方顧問、棚橋顧問、谷本、萩生田、小田副団長、訪問団及び御来賓の皆様、今晩は!
今度、自民党青年部と青年局幹部からなる台湾研修訪問団がつくられ、4日間の日程で各方面に凡り意見交換して廻ること心からお喜び申し上げます。今回の訪問団は国会議員と地方議員による共同研修会を海外(台湾)で行うことで中央・地方の党関係を強化しようというのが主目的の様ですが、12月に行われる台湾の立法委員選挙についてもかなり関心を持ってこられたとも考えます。今夜は又宴会を設けて台湾側研修会関係者を招待なされ、私も招かれてお話する機会を与えられたこと、心から感謝しています。
今年の3月20日に行われた台湾の総統選挙の結果は何を意味するのであろうか?簡単に皆さんに申し上げましょう。結果において陳水扁総統ー呂副総統のコンビが僅差であれ再選されました。陳ー呂のコンビで647万票、連ー宋のコンビで644万票、わずか3万票の差でした。
私は、台湾民主化は進んだが、まだまだ不十分。台湾のアイデンティティー(認同)をさらに高める為一層奮闘する必要があると力説しました。国民党主席連戦は、親民党主席宋楚瑜と連合して2000年における総統選挙における分裂からの失敗を避けて、必ず当選すると確信して参りました。これがいわゆる1プラス1は2であるという普通並の計算でした。2000年には、宋は446万票、連は290万票、陳は490万票ですから、宋と連が合わせれば758万票となることから、連ー宋連合は必ず勝つとおもってきた。
台湾住民の台湾アイデンティティーという大きな社会的感情がこの4年間で大きく向上したことに気がつかなかった事です。一般の人民に言わせると、台湾に投票しました、台湾を代表するのは陳総統しかないから、それで陳総統に投票しました。国民党と親民党サイドでは、落選を認めずに選挙不正とか銃撃は自己操作だと言って、メディアを利用して、今でも騒いでいる様ですが、しばらくの間ではおさまらないでしょう。私の率いる群策会は、総統選挙に伴う台湾の民主と法治の発展について台湾全国民について、台中、台南で研討会を開きました。台中の研討会において、特別ゲストとしてRoss Terrill教授(ハーバード大学フェアバンク研究センター)を招き、彼はTaiwan Democracy shines, Party-State fades.というテーマで講演をしました。まず、Terrill教授はこのように始めました。先月の選挙で台湾は一つの時代を終束しました。党国体制がこれで消えてゆきます。3月20日後の日々を国民党はおそらく長期にわたって、行われた党国体制的運営をするでしょう。つまり自分が選挙で敗れたのは他人が不正をやったからです。国民党が勝たなければあの選挙は正当性を持つ筈がないと、天には私以外に二つの太陽がないことと同じです。中華文化の神聖なる国民は、誰が彼らの政治父母であるか、よく知っている筈だといえます。そして、彼は又お話しの中間でこういっていました。「私は台湾の地位、には、今後3つの段階があると思う。現段階の不正常や憲法上の乱れは必ずおきるでしょう。第2段階では台湾の地位を明確にし、台湾をして一つの実質的、形式上の主権、独立、立国をすること、第3段階では種々の可能性を含んで中国との関係は敵対的でなくなるでしょう」と結論しました。
台南の研討会では岡崎久彦氏は「台湾の将来は明るい」という題目で講演をなされました。岡崎先生は、「陳水扁総統の再選おめでとうございます」といってから、台湾の命運はアジアの命運を決する選挙でしたと語りました。それから彼は、さて、今回はこれからどうなるか考えて見たいと思います。先ず、単刀直入に中国はどうするか考えましょう。もとより中国にとって台湾の統一は悲願である。しかし今度の選挙の結果、統一の見通しはほとんど失われました。平和的統一の可能性はほとんどありません。そうなると、武力による統一しかないことになりますが、アメリカが問題の平和的解決を絶対条件としている以上、アメリカとの軍事的衝突を覚悟しなければなりません。中国もその事は知っているでしょう。中国の現在の軍事力では、米国に太刀打ちできないことはわかっているでしょう。さて、今後の台湾はどうすべきでしょう。一つは中台の軍事バランスを維持し、奇襲的攻撃をさせないこと、アメリカ外交を固め、日本では自民党と民主党の有志が共同提案で台湾を助けることも可能性でしょう。そして台湾は国内的に国民党一党独裁時代の残滓を清算して、真の民主主義を達成するという前向きの仕事、憲法の改正等、自由民主主義を維持することがその生存にかかる大切な事でありましょう。
両氏の説明でわかるように、2004年3月20日の総統選挙後、台湾に残された道は台湾の民主と法治の徹底でしょう。これには以前に申し上げた様に、台湾のアイデンティティーを高める事でしょう。農民、原住民、客家及び新住民への教育と台湾に対する認識の強化、国民党の台湾国民党化が重要な課題になるでしょう。そうすると台湾と日本の関係も昔よりずっとよくなっていくでしょう。逆に台湾が日本の生命線になってしまうでしょう。
皆さんのコメントを求めて、お話を終わらせていただきます。